Brew Note 004 ROSEMARY:ハーブの扉、新たなる香りの探求

Brew Note 004 ROSEMARY:ハーブの扉、新たなる香りの探求

約3分

目次


Brew Note:醸造の「記録」を、みんなと共に

「Brew Note」は、私たちの醸造における試行錯誤の「記録」です。完成された製品の裏側にある、私たち造り手の想いや挑戦の物語をありのままにお伝えすることで、一本のお酒が持つ価値をより深く感じていただきたいと考えています。この記録が、皆様にとって日本酒をより楽しむための新たな扉となることを願っています。


定番への道、第四の挑戦

2026年の幕開けと共に始まった、Brew Note 003から005にかけての連続仕込み。それは、私たちの理想とする味わいを追求し、SAKENOVAの新たな「定番」となりうるレシピを確立するための、探求旅のようなものです。
第三弾の「APPLE & TOBISHIMA KANZO」では、米の溶解という課題を克服し、果実と花の調和という新たな境地を切り開きました。そして第四弾となる本作で、私たちは全く新しい扉を開きます。それは、「ハーブ」という、無限の可能性を秘めた香りの世界への挑戦です。

004 ROSEMARY:ハーブという未知なる領域へ

Crafted Seriesの第四弾で私たちが選んだのは、清涼感あふれる香りが特徴の「ローズマリー」。これまで果実や花を副原料としてきた私たちにとって、ハーブ系のクラフトサケは、z醸造設立前から挑戦したい考えていた領域でした。この一本は、その記念すべき第一歩となります。

佐渡の風土が育んだ、力強い香り

私たちが使用したのは、もちろん佐渡で栽培されたローズマリーです。島の太陽をたっぷりと浴び、潮風に吹かれながら育ったそのハーブは、繊細でありながらも、芯の通った力強い生命力に満ちています。
そのシャープで爽快な香りは、私たちの目指す「辛口」の酒質と響き合い、これまでにない新しい食中酒の可能性を予感させました。

クラフトサケとハーブの調和点を探る

ハーブを副原料とすることは、私たちにとって大きな挑戦でした。その香りは非常に繊細かつ支配的であり、投入するタイミングや量、そしてベースとなる酒質との相性を見極める必要があります。
私たちは、ローズマリーの爽快な香りを最大限に活かすため、ベースとなるお酒の味わいを「辛口」に設計。米由来の甘みを抑え、酸味を効かせることで、ハーブの香りがクリアに際立つ舞台を用意しました。
上槽の2日前にローズマリーをもろみに投入。香りが強すぎても弱すぎても、理想のバランスは生まれません。完成したお酒をテイスティングした時、私たちはその狙い通りのシャープな香りと味わいに手応えを感じると同時に、「もう少し多くても良かったかもしれない」という、次の課題も見つけました。
この探求心こそが、Brew Noteの原動力です。今後は、複数のハーブを組み合わせた、より複雑で多層的な香りのフュージョンにも挑戦していきたいと考えています。


テイスティングノート

外観

槽搾り後のおりをわずかに含んだ、透明感のあるクリスタルクリアな色調。グラスを傾けると、粘性は低く、さらりとした液体がその軽快な飲み口を予感させます。

香り

グラスを近づけると、青りんごやライチを思わせる、控えめで上品な吟醸香。その奥から清涼感あるハーブの香りがほのかに感じられます。それは単なるハーブの香りではなく、佐渡の潮風と太陽を浴びて育った力強さを感じさせる、ウッディでスパイシーなニュアンスを含んでいます。まるで、雨上がりのハーブガーデンを散策しているかのような、瑞々しく知的なアロマが広がります。

味わい

口に含むと、米由来の柔らかな甘みが優しくアタックします。しっかりとした酸味と、ローズマリーの持つ爽快なビター感が味わい全体を引き締め、シャープでドライな印象へと導きます。軽快なボディが、口の中をリフレッシュし、洗練された飲み心地です。余韻は短く、ローズマリーの爽やかな香りが鼻に抜け、心地よい刺激を残して消えていきます。

 

製品情報

アルコール度数: 12.5%
日本酒度: -3.13
酸度: 1.8
アミノ酸度: 0.9
精米歩合: 60%
使用米: 麹: 山田錦、掛: こしいぶき
使用酵母: 901
副原料: ローズマリー(佐渡産)
火入れ: なし(生酒)
上槽時期: 2026年2月
内容量: 720mL