Brew Note:醸造の「記録」を、みんなと共に

「Brew Note」は、私たちの醸造における試行錯誤の「記録」です。完成された製品の裏側にある、私たち造り手の想いや挑戦の物語をありのままにお伝えすることで、一本のお酒が持つ価値をより深く感じていただきたいと考えています。この記録が、皆様にとって日本酒をより楽しむための新たな扉となることを願っています。
002 APPLE&MIKAN:佐渡産フルーツの力

佐渡と聞いて、皆さんは何を思い浮かべるでしょうか。雄大な自然、佐渡金山、そして特別天然記念物のトキ。もちろん、日本有数の米どころであり、「おけさ柿」の産地としてもその名は広く知られています。
しかし、佐渡の魅力はそれだけではありません。実は、知る人ぞ知るフルーツ天国でもあるのです。
この島では温暖な気候を好むみかんと、冷涼な気候で育つりんごが栽培されています。まさに「りんごの南限、みかんの北限」とも言えるこの稀有な環境が、多種多様な果物を育んでいるのです。西洋梨の貴婦人「ル レクチエ」や、黒いダイヤと称されるいちじく「ビオレ・ソリエス」、甘く香り高い苺「越後姫」など、そのラインナップは実に多彩。島内外の多くの人々を魅了しています。
テイスティングノート
外観
槽搾り後のおりをやや含む霞色。粘性はなくさらさらとしています。
香り
香の量は抑えめでやさしい吟醸香、酢酸イソアミルと副原料のりんごの香りがします。雪解け水の流れる小川のほとりで、りんごの木々が白い花を咲かせているような光景が目に浮かびます。りんごの蜜のような甘い香りと、みかんの皮をむいたときのような爽やかな香りが調和し、飲む前から期待感を高めます。
味わい
口に含むと、みずみずしい果実を想わせる爽やかなアタック。味わいの主体は、りんご由来の優しい甘みと、みかんがもたらす快活な酸味が見事に調和しています。低アルコールの軽やかなボディでありながら、口中に広がる含み香が満足感を与え、すっきりとキレの良い余韻へと続きます。食前酒としてはもちろん、幅広い料理とのペアリングもお楽しみいただけます。
APPLE&MIKAN

Brew Note 001に続き、私たちの試行錯誤の記録であるBrew Noteの第二弾をお届けします。SAKENOVA Crafted Series Brew Noteは、日本酒の新たな可能性を探る挑戦のシリーズです。今回は佐渡産の「りんご」と「みかん」という、より身近な果物を副原料に選びました。このお酒が、皆様にとって新たな日本酒の扉を開くきっかけとなれば幸いです。
第二弾の副原料には、りんごとみかんを選びました。誰もが知る果実の組み合わせが、日本酒とどのような化学反応を起こすのか。その探求心が今回の醸造の出発点です。
酵母は前回に引き続き、安定した酒質が期待できるきょうかい901号を使用しました。 今回は、もろみ後期にりんごとみかんを投入しました。手作業でりんごとみかんの皮を取り除いたうち、ミキサーにかけて100%果汁を濾過したものをもろみに追加しています。同時にりんごとみかんの皮ももろみへ投下しています。
りんごの持つ柔らかな香りと甘みをじっくりと醪に溶け込ませつつ、みかんの持つ酸味と香りを失うことなくお酒に閉じ込めることを狙いました。結果として、それぞれの果実の個性が絶妙なバランスで共存する、爽快感あふれる味わいが生まれました。
一度アルコール14.5度まで上がりましたが果汁により12.5度まで下がり、低アルで飲みやすくなっています。 少しずつですが、理想とする酒質への歩みを進めています。次回のBrew Note 003では、また新たな副原料と共に、さらなる醸造技術の改良に挑戦していく予定です。
製品情報

アルコール度数:12.5%
日本酒度:-8.57
酸度:1.9
精米歩合:60%
使用酵母:901
副原料:りんご(佐渡産)、みかん(佐渡産)
上槽時期:2026年1月

