2026年の仕込みを振り返って
003から006まで、副原料の可能性を探る連続仕込みが続きました。果実やハーブ、そしてハチミツ。様々な素材と日本酒を掛け合わせ、時には思い通りの味になり、時には想定を裏切る面白い結果が生まれました。
今回のBrew Note 007は、国内流通量わずか0.1%の国産ハチミツと、佐渡ならではの花を掛け合わせました。
007 Tobishima kanzo & HONEY:果実ではない「自然の甘み」への探求

Crafted Seriesの第七弾で私たちが選んだのは、佐渡産の「ハチミツ」と「トビシマカンゾウ」です。
トビシマカンゾウ(飛島萱草)をご存知でしょうか。5月下旬から6月上旬にかけて、佐渡の海岸線を黄色く染め上げるユリ科の美しい花です。今回はこの花とハチミツという、果実とは異なるアプローチで「自然の甘みと香り」を日本酒にどう調和させるかに挑みました。
トビシマカンゾウとハチミツの化学反応

製法としては、もろみの後期に加熱して冷やしたハチミツを投入しました。そして同時に、乾燥させたトビシマカンゾウも投入し、香り付けを行っています。
ハチミツの甘みとトビシマカンゾウの甘い香り。言葉だけを聞くと、非常に甘口のお酒を想像されるかもしれません。しかし、私たちが目指したのは「香りは甘く、味わいはキレる」というコントラストでした。
結果として、日本酒自体は辛口に仕上がり、今回の出品酒の中で最も辛口の部類に入るお酒となりました。
辛口の骨格に咲く、甘やかな香り

アルコール度数は12.5%と低アルコールに抑え、飲みやすさを確保しています。
グラスに注ぐと、トビシマカンゾウ由来の華やかで甘い香りと、ハチミツのニュアンスが立ち上ります。しかし口に含むと、その甘い香りの印象を良い意味で裏切る、シャープでドライな飲み口が広がります。
甘い香りと辛口の味わい。この二面性こそが、ハチミツと花という副原料が日本酒と起こした化学反応の答えです。
テイスティングノート
グラスを近づけると、トビシマカンゾウの初夏を思わせる華やかな花の香りと、ハチミツの優しくコクのある香りが複雑に絡み合います。甘く誘うような、魅力的な雰囲気です。
口に含むと、香りの印象とは対照的な、すっきりとドライな飲み口に驚かされます。低アルコールならではの軽快なタッチで舌の上を滑り、日本酒としての辛口の骨格がしっかりと全体を引き締めています。
余韻には、ハチミツの微かなニュアンスと花の香りが鼻を抜け、キレの良さの中に心地よい余韻を残します。
製品情報
アルコール度数: 12.5%
日本酒度: -0.11
酸度: 2.2
酸度: 2.2
副原料: ハチミツ(佐渡内製造)、トビシマカンゾウ(佐渡産)
火入れ: なし(生酒)
内容量: 720mL
